ホームページへ

【経費削減】削減に向いている科目・向いていない科目と3つのコツ

経営改善

最近は物価が高騰しており、なかなか販売価格に転嫁できていない状況が続いています。そうなると今まで同様に利益を確保しようとすれば、経費の削減に考えが向くと思います。しかし、闇雲に経費を削減してしまうと大変なことになってしまう可能性があります。

そのため、今回は「経費の削減」について、削減に向いている科目と向いていない科目を解説し、実施方法の3つのコツを紹介したいと思います。

本記事の内容

  • 経費の削減に向いている科目
  • 経費の削減に向いていない科目
  • 経費削減を実施する3つのコツ
  • まとめ

経費の削減に向いている科目

そもそも経費とは何なんでしょうか?経費を削減する前に経費とは何か?ということを確認しておきましょう。

経費とは「事業を行うための費用」のことであり、具体的には以下のようなものを言います。

人件費、消耗品費、接待交際費、旅費交通費、研究開発費、新聞図書費、通信費、広告宣伝費、地代家賃、減価償却費、福利厚生費、修繕費、支払手数料、租税公課など、主に販売費及び一般管理費に計上されるものは経費と思ってもらって構いません。

先に経費=資金の減少ではないことを確認しておきます。よくお金が減れば経費だと勘違いされている方が多くいらっしゃいます。確かに大体の経費は資金が減少します。しかし経費の中には資金が減少しないものや資金が減少しても経費にならないものが存在します。

経費だけど資金が減少しない科目 ⇒ 減価償却費 です。減価償却費は固定資産が時の経過により資産価値が減少したことによる金額を経費として計上しているため、資金は減少しません。

資金は減少しても経費にならない科目 ⇒ 借入金の返済額や固定資産の購入額 です。借入金の返済額は借りたお金を返しているだけなので経費になりません。腑に落ちない方は資金を借りたときのことを考えてみましょう。借りたときはお金が増えますが、売上にはならないですよね?だから返す時も経費にはなりません。もう一つの固定資産を購入したときは資金が減少しますが、固定資産として計上されるため経費にはなりません。ただ、時の経過による固定資産の価値減少分は減価償却費として経費になります。

経費削減に向いている科目その①:接待交際費

まず最初は接待交際費です。

将来的に売上に繋がればいいのですが、必要以上に支出していることが多いです。

お中元やお歳暮、同業者の会合などであれば問題ありませんが、それ以外の飲食代は削減対象です。

経費削減に向いている科目その➁:地代家賃

次は地代家賃です。

地代家賃は通常、賃貸借契約によって金額が決まっているため、削減できないように思えます。

ですが、事業の状況を説明し交渉することで見直してくれる可能性もあります。

地代家賃は常に掛かる経費なので、削減できた際の効果が大きいです。

経費削減に向いている科目その➂:消耗品費

次は消耗品費です。

消耗品費には事務消耗品費も含まれます。近年はデジタル化が進んでいるため、紙を極力使わないようにすることで削減することが出来ます。

契約書関係をデジタル化することで印紙代が不要になり、印紙代も削減できます。

経費削減に向いている科目その④:水道光熱費

次は水道光熱費です。

水道光熱費のうち、削減しやすいのは電気代です。先行投資が必要になりますが、古い空調設備を更新したり、証明をLEDに変更することで削減することが出来ます。補助金が活用できることもあるので、普段からチェックしておくといいでしょう。

ただし気を付けてほしいのは、職場環境を悪くしてまで削減を行わないことです。ある程度の節約はいいですが、度を過ぎると従業員から不満の声が上がり、モチベーションの低下を引き起こすので注意してください。

経費の削減に向いていない科目

経費を削減するからといって何でも削減していいわけではありません。

間違えてしまうと、会社の存続にまで影響しかねないこともありますので注意してください。

ここからは、やってはいけない経費の削減と事例を紹介したいと思います。

経費の削減に向いていない科目その①:人件費

まず最初は人件費です。

給与や賞与の削減は、社員のモチベーションが大きく下がります。下手すると離職の原因にもなります。人員整理も基本的にこちらから一方的に解雇することは出来ません。人件費の削減は最後の砦です。

人件費の削減を考えるのであれば、その人員を使って効率化または売上が伸びるように配置転換をするなどして削減しなくても維持できる方法を考えましょう。

経費の削減に向いていない科目その➁:広告宣伝費

次は広告宣伝費です。

過度な広告宣伝費は削減しても問題ないのですが、削減しすぎると売上に影響が出る可能性があります。

広告宣伝費の場合は、広告宣伝のやり方を変えて削減するような方法がおススメです。フリーペーパーからネット広告に変えたり、逆のパターンも考えられます。飲食店などの店舗を経営している場合はSNSやLINE公式アカウントを使った集客の方が割安になる可能性があります。

即効性のある顧客の囲い込みをサポート【OTOMO LINE】

経費の削減に向いていない科目その➂:材料・商品仕入

次は材料・商品仕入です。

材料や商品仕入れの価格が高くなったからといって、安易に安いものに変えるのは危険な行為です。商品や材料の質が変わらず、価格が安いのであれば切り替えるのもアリですが、質が下がるのであれば要注意です!下手すると取引先からのクレームになるかもしれません。

中小企業が大企業に勝っていくためには、品質か希少性で勝つしかありません。材料や商品自体の品質を落としてしまうと最終的に完成する製品の質も低下してしまいます。そうなってしまうと商品や製品が売れなくなってしまい削減した以上に大きな損失を受けてしまいます。

経費削減を実施する3つのコツ

経費削減を実施するための3つのコツは以下の通りです。

1.経費を削減することを従業員に知らせて協力して取り組むこと

2.サービス・製品の質を落とさない

3.無理のない目標を立てる

経費を削減することを従業員に知らせて協力して取り組むこと

経費の削減は経営者だけでは実現できません。経営者を含め、従業員の協力が必要不可欠です。なぜ経費を削減するのか、そのために何をするのかなど従業員に説明し、了解を得てから実行するようにしましょう!

人件費の削減のときと同様に、無理なく、従業員の不満にならないように進めなければ、離職の原因になりかねません。

もしかすると別のよい経費削減の意見が出てくることもありますので、ぜひ実行してみてください。

サービス・製品の質を落とさない

先ほどの材料・商品仕入でも書きましたが、中小企業が大企業に勝っていくためには、品質か希少性で勝つしかありません。

最近よく見かけるのが、質を落とさずに数量を減らしている商品です。これはあまりお勧めしません。意外と購入者は気づいています。

これをするぐらいならパッケージを変更したりして付加価値感を出して販売価格を上げた方がいいと思います。

結果として、経費を削減して売上が落ちたら本末転倒です。

無理のない目標を立てる

経費の削減は小さな積み重ねが大事です。正直大きな効果は見込めないと思っていた方がいいです。そもそも最初から経費を気にせず使っていることが少ないからです。誰でも安くていいものを買ったり、出来るだけ長く使おうとするものです。

そのため、もともとが浪費家でない限りは大きな効果が出にくいのです。だから無理のない目標を立てないと達成できなくなってしまいます。達成できないと経費削減に対する意欲が下がってしまい、さらに効果が出にくくなっていきます。逆に達成できた場合はもっと頑張ろうと思うので、期待以上の効果が出る可能性が高まります。

まとめ

今回は経費の削減について解説してきました。経費の削減も立派な経営改善の1つです。出来ることがあるのであれば実行していくことが重要です。

経費削減も利益を確保するための手段の1つではありますが、あまり効果が期待できないのが難点です。また、経費の削減はいつか限界がやってきます。そのため、利益の確保のためには売上を伸ばすか利益率を改善しなくてはなりません。

同じ売上でも利益率が上がればより多くの利益を残すことが出来ます。しかしそのためには、なぜ利益率が低いのかを把握しなければなりません。把握する手段として「原価管理」が必要になってきます。原価管理については以下の記事を参考にして下さい。

参考記事:【物価高騰】注目される原価管理の必要性(独自の原価管理システムあり)

また、当事務所では原価管理代行も実施しております。詳細はこちらから。

コメント