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【物価高騰】影響を受ける事業者がとるべき対応(経費削減・売上向上)

経営改善

コロナが落ち着いて、忙しくなってきたが人手不足で困っている。どうやって人材を確保したらいい?

従業員が入ってきても、長続きせず、1年も経たないうちに辞めてしまう・・・

従業員が長続きするようにするにはどうしたらいい?

このような事業者の声をよく聞きます。新型コロナも落ち着いてきて、消費者の動きも以前より活発になってきています。「さあ、これから頑張るぞ!」と意気込んでいた矢先に、物価高騰等がやってきました。材料費高騰 ⇒ 販売価格アップ という単純なやり方では消費者は離れていってしまいます。


今回は物価高騰等によって影響を受けている事業者の方に、なぜ物価高騰等が起きているのか?今後どういった対応をするべきかをご紹介したいと思います。

本記事の内容

  • 物価高騰等によって事業者が受けている影響・課題
  • 物価高騰等に対して、事業者がとるべき行動
  • どのように管理していくべきか?

物価高騰等によって事業者が受けている影響

物価高騰の4つの原因

1つ目の原因は、ロシア・ウクライナ情勢による影響です。ロシアに対する経済制裁としてロシアの石油や天然ガスの輸入を制限したため、供給量が減少することで価格が上昇しました。

2つ目の原因は、世界的な人口増加による需要が増加したことです。使う人が増えれば、需要が供給を上回るため、価格が上昇します。

3つ目の原因は、異常気象による被害や新型コロナによる影響です。異常気象によって農産物が取れなくなったり、新型コロナの影響で工場の生産停止したりと供給不足により、価格が上昇しました。

4つ目の原因は、日本とアメリカでの金融政策による円安です。日米の金融政策の違いによる金利差が拡大しており、円安が進行し、輸入品のコストが上がっています。

以上の原因からエネルギー関係や食料品を中心に価格が上昇しています。そして現在の物価高騰が今後も続くことが予想されます。一般消費者だけでなく、事業者も大きく影響を受けています。

最低賃金の上昇による人件費増加

今年の8月頃に最低賃金の見直しが行われ、全国加重平均で1,004円となり、ついに1,000円を超えたことは記憶に新しいと思います。先ほどの物価高騰等により、最低賃金も引き上げられた形です。

地域別最低賃金を守らない場合は、法律により罰金が科されるため、最低賃金の上昇は事業者にとって大きな負担が掛かってきます。

事業者が直面している課題

  • 値上げしたいけど、売れなくなることを考えると値上げに踏み切れない。
  • 材料費が高くなって、利益が取れなくなってきた。どうすればいい?
  • 人件費負担が大きくなってきた。どうすればいい?

物価高騰等に対して、事業者がとるべき行動

収益性を改善するには、以下の3つの方法を改善する必要があります。

①売上を増加させる【(単価 × 数量)× 利用頻度】

②仕入商品の購入価格を抑える(単価 × 数量)

③経費を削減する(固定費の削減)

売上を増加させる

売上高は分解すると売上高=【(単価 × 数量)× 利用頻度】になります。

そんなことは分かってるよ!という声が聞こえてきそうですが、これ以上でもこれ以下でもありません。1つずつ出来ることを提案していきます。

販売単価を上げる

販売単価を上げることは容易にできますが、単純な値上げは販売数量の減少につながるため、安易な値上げは避けるべきです。では、どうすれば購入者にとって納得できる値上げになるのでしょうか?

ここで、1つ質問です。

購入者は、あなたの商品の何に魅力を感じていますか?料理であれば、価格ですか?おいしさですか?サービスですか?ロケーションですか?それとも料理の見栄えですか?

この質問に対して多くの回答が出来るのであれば、あなたの商品は付加価値の高い商品である可能性が高いです。付加価値の高い商品である場合では、価格が高くても販売数量は減少する可能性は低いです。なぜなら、価格だけで選んでいるわけではないからです。

反対に、回答が1つや2つであった場合は、現在販売している商品は付加価値が低い商品である可能性が高いため、付加価値を高める必要があります。

では、具体的に付加価値を上げるにはどうすればいいのでしょうか?

付加価値を上げる方法は企業によって様々あるため、決まった内容があるわけではありません。しかし、方向性は決めることができます。まずは他社に負けない自社の強みは何なのか?を考えてみてください。その商品は自社の強みが入っていますでしょうか?入っていなければ、どうすれば自社の強みを商品に反映できるか考えてみましょう。

また、少額の値上げであれば、少し工夫することで付加価値を高めることもできます。例えば、料理であれば、食器を凝ったものに替えたり、盛り付けを見栄えよくしたりといったあまりコストを掛けずにできることもあります。

このような観点から付加価値を高められれば、価格が高くても商品を購入してもらえるはずです。

販売数量を増やす

販売数量を増やすには、以下の3つの方法があります。

①商圏を広げる

商圏を広げるとは、単純に営業範囲を広げることではありません。もちろん可能であれば営業範囲を広げることも1つの手です。しかし、やみくもに営業範囲を広げても効果は期待できません。

インターネットを活用した販売やホームページからの受注を促進することで販売数を増やすことができます。他にも飲食料品であれば、スーパーや道の駅などに商品を置いてもらうこともいいでしょう。

②自社の商品・サービスを知ってもらう

意外と落とし穴なのが、これです。良い商品を良心的な値段で販売していれば、自然とお客さんが増えていくと思っている方が多いです。確かに安くて良い物は買ってもらいやすいですが、知られていなければ買いに来ることはありません。

購入者が買った商品をSNSなどで発信してくれれば、広がっていく可能性はありますが、稀なことだと思ってください。そのため、SNSで発信してもらったり、LINEに追加することでクーポンを発行するなどして促す必要があります。

③営業時間を変更・延長する

例えば、居酒屋さんではハッピーアワーを設ける(金曜日は早い時間から始めるなど)、飲食店ではランチだけでなく、予約制でディナーも営業するなど、消費者のニーズに合わせた時間に変更するのも効果的です。

購入頻度を増やす

スタンプカードを発行したり、次回購入時に使えるクーポンを発行したりして次も購入してもらえるような仕組みを導入する。

ここで、注意したいのがスタンプカードなどは貯まりにくいと使われないことです。一回利用したらスタンプが半分貯まるぐらいでないと捨てられてしまいます。逆に一度の利用で半分貯まっていたら、もう一度利用すれば一杯になるので利用しようと思いますよね?

他にも、事前予約でスタンプ追加など特典を付けるのも面白いと思います。

仕入商品の購入価格を抑える

収益性を改善する2つ目の方法として、商品を安く仕入れる若しくは、製造業の場合は同じ材料で多くの製品を製造するです。

仕入単価の交渉

主力商品や必要材料であれば、ある程度の数量でまとめて購入することで値引きしてもらうように交渉することができます。また、交渉次第ですが商品の販売数に応じて販売奨励金をもらう方法もあります。注意点として、大量購入は資金がないとできないこと、在庫として残ってしまった際のリスクがあることが挙げられます。

不良品率を低減する(製造業の場合)

製造業において不良品は最大の敵ともいわれるものです。同じ量の材料を使っても20%は不良品だったらもったいないですよね。この20%の不良品を10%にすることができれば、同じ材料で10%多く作れたことになります。さらに、不良品は廃棄になるだけでなく、不良品分を追加で作らなくてはならないため残業になったり、納期に支障が出たりします。

どこの製造業でも不良品率の低減活動は行っているとは思いますが、まだ出来る余地がないのか現状を再分析することも重要です。

経費を削減する(固定費の削減)

最後は経費の削減です。経費の削減といっても何でもかんでも削減してしまうと事業活動に支障が出てしまいます。最近では、水道光熱費が高くなっているため過度な節約をすることもあります。確かに、小さな積み重ねが大事なこともありますが、私はあまりおススメしません。自分一人が苦労するのであればいいのですが、従業員に強いてしまうとモチベーションの低下につながってしまう可能性があるからです。

業務効率化による固定費の削減

通常業務の中でムリ・ムダ・ムラはないか確認し、改善することで効率化を図ります。具体的にはECRSの原則に基づいて検証してみることをおススメします。

【ECRSの原則】上にあるものほど、効果が大きくなります。

排除(Eliminate):業務をなくすことはできないか?

結合(Combine):業務を1つにまとめられないか?

交換(Rearrange):業務の順序や場所などを入れ替えることで、効率が向上しないか?

簡素化(Simplify):業務をより単純にできないか?

他にも、Excelなどを利用して手書きのものをデータ入力にする、券売機を導入してレジ業務を削減する、注文をタブレットで受けるなどの方法もあります。

接待交際費や地代家賃を見直す

接待交際費は取引先との会食や訪問先への手土産などであれば、必要なものと思われますが、必要以上な飲食代などがないか見直すことも大事です。

地代家賃も安くしてもらえる可能性はあるため、交渉を試みるのも1つの手です。実際にショッピングモールのテナントのレストランがダメもとで交渉して安くしてもらえた事例もあります。

どのように管理していくべきか?

今まで書いてきたことを実践していけば、収益性は改善されます。しかし、ただ実践しても効果が出たかどうかを測定しなければ、改善できたとは言えません。

そのため、事前にやるべきことを下記の表のようにリスト化しておき、目標を決めておきましょう!何を、いつまでに、誰が、どのように、どれくらいをまとめておきましょう!会計事務所に会計を見てもらっているのであれば、月次試算表を見て目標を決めるといいと思います。

誰が何をいつまでにどのようにどれくらい
社長が接待交際費を決算までに節約して1,000千円
製造責任者が不良品率を3か月後までに改善活動で10%低減

実際に業務の効率化や自社の強みが分からないなど、そのような場合は中小企業診断士にコンサルティングもしくは経営診断してもらうか、商工会・商工会議所やよろず支援拠点に相談されるといいと思います。

私の方でも、相談を受けていますので問合せフォームか、ホームページのお問い合わせからご連絡いただければと思います。(初回相談は無料です)

お問い合わせ – まるたんブログ (marutan-blog.com)

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