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【経営分析】気が付いたらゆでガエル!?外部環境分析と調べ方を公開!

経営改善

今回は経営診断や経営分析の際に使われる外部環境分析について解説したいと思います。外部環境分析をしないままに事業を継続していくと少しずつ事業が衰退していってしまいます・・・。そうならないために外部環境について確認しておきましょう!

内部環境について知りたい方はこちらの記事を参考にしてもらえたらと思います。

【経営分析】あなたの会社の強みと弱みは何?内部環境分析の具体的手法

本記事の内容

  • 気が付いたらゆでガエルの意味
  • 外部環境分析の主な3つの手法
  • 外部環境分析の情報源

気が付いたらゆでガエル!?の意味

知らない人からすると「ゆでガエルとか何言ってるの?」と思われるかもしれません。これは私が思い付きで言っていることではなく、「ゆでガエル現象」と呼ばれる言葉があります。

ゆでガエル現象の意味は危険が迫っているにもかかわらず変化がゆるやかなため気がつかず、気づいたときには手遅れになっている、という状況をあらわす言葉といわれています。

もう少し分かりやすく言うと、「カエルはいきなり熱湯に入れると驚いて逃げ出すが、常温の水に入れて水温を少しずつ上げていくと逃げ出すタイミングを失い死んでしまう」ということです。

結局、何が言いたいのかというとビジネスにおいて周りの環境が変わっていっているのに気付かずに何もしなかったがために気が付いた時には手遅れだったという事にならないように、周りの環境(外部環境)の変化に合わせた組織や商品・サービスづくりをしましょう!ということです。

では、どういったことが外部環境といわれるのでしょうか?

外部環境とは一般的に自社でコントロールできない環境の変化です。次から具体的な内容を確認してみましょう。

外部環境①:景気動向・景気変動

景気動向や景気変動は自分の力ではどうにもできないことですよね?景気が変動する原因は様々で政治的な政策や金融施策、外国の信用度の変化などがあります。

ただ、景気変動は日々ニュースで報道されていますので知らなかったということは少ないかもしれません。しかし大事なのは景気変動が外部環境の変化だと意識しているかどうかです。意識していなければ変化に対して対策を講じることはできません。

外部環境➁:人口変動

人口変動も重要な外部環境の変化です。人口変動を様々な角度から捉えることがポイントです。

どういう事かというと、世界の人口はどうなるのか?日本の人口はどうなるのか?60歳以上の高齢者は全体の何%になっていくのか?労働者の割合はどうなっていくのか?など、自分の事業に関係のある指標を探して分析することが大事になります。

最近では20年後、30年後、人口がどうなっているのかが推定されるようになってきています。うまく使えば、事業戦略を考える際に活用することも出来ます。

外部環境➂:技術革新

技術革新も外部環境の変化の1つです。技術革新といっても日々ものすごいスピードで変化していますので追い続けるのは困難です。基本的には自社の事業に関係のある分野に絞り込んで、技術革新のアンテナを張っておきましょう。

最近ではAIを使った文書作成や画像生成などが流行ってますね。この技術を脅威と捉えるか、活用してチャンスと捉えるかで大きく事業の方向性も変わってきます。

外部環境④:市場ニーズ

市場ニーズは常に変化しています。流行でいえば3ヶ月や半年などで変わっていきます。ポイントは短期的な流行を追うのではなく、ここ数年で伸びてきている市場を確認することです。

コロナが発生したときのようなイレギュラーな場合は、ガラッと市場ニーズが変わってしまいましたが、通常であれば大きく変化することはありません。

外部環境分析の主な3つの手法

外部環境がどのようなものなのかが分かったうえで、どういった手法があるのか紹介したいと思います。

手法①:PEST分析

PEST分析とは、「政治(Politics)」「経済(Economy)」「社会(Society)」「技術(Technology)」という4つの外部環境を取り出し、分析対象とします。それぞれの頭文字を取って「PEST分析」と呼ばれています。

先ほどの解説したように、政治が行う政策や法改正、経済では景気の動向、社会では人口動向、技術であればAI技術の開発、といったことを各分野から分析する方法です。

手法➁:ポーターの5フォース分析

ファイブフォース分析とは、アメリカの経営学者であるマイケル・ポーターが提唱した収益性を決定する5つの競争要因(新規参入の脅威/売り手の交渉力/買い手の交渉力/代替品の脅威/同業者間の競争)から業界構造を分析するフレームワークです。

新規参入の脅威はその業界に参入することが簡単かどうかで判断します。専門用語では参入障壁と言われています。基本的には新規参入するためにコストが掛かるかどうか、ノウハウが必要かどうかで決まります。当然、コストが掛からないでノウハウも必要のない事業であれば誰でも始められますよね。それだけライバルが多くなるという事です。

買い手・売り手の脅威は交渉力の強さで判断します。自社の商品・サービスに対して差別化できているかによって交渉力は変わります。常に商品・サービスの付加価値を高めて差別化を図ることで交渉力を高めましょう!

代替品の脅威は商品・サービスの付加価値の高さで判断します。誰でも同じような商品・サービスであれば価格が安いものを選びますよね?当然、同じ価格であればより質の良い物を選びます。他社との差別化ができていないと代替品に取って代わられてしまうことになり、売上の減少につながります。

同業者間の競争は市場の成長率や競争業者の数によって判断します。提供している商品・サービスの市場が飽和状態になったとき、需要よりも供給が上回ってしまうために顧客の取りあいになってしまいます。このような場合にはターゲット層を変えることを検討したり、より良い商品・サービスを提供する必要があります。

手法➂:3C分析

3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)という3つの「C」について分析する方法です。

Customer(市場・顧客)の分析は、市場規模や成長性、顧客ニーズなどの顧客の購買意欲や能力を分析します。先ほど紹介したPEST分析による市場規模や成長性や5フォースの買い手・売り手・代替品の脅威をもとに分析を行います。

Competitor(競合)の分析は、売り上げや社員数、市場シェアをはじめとする競合の状況、競合の製品やサービスの強み・弱みを分析します。5フォース分析をより深く分析するといった内容です。

私の好きな言葉に「己を知り敵を知れば百戦危うからず」があります。まさに内部環境・外部環境分析のための言葉だなって思っています。

Company(自社)の分析は、ここまでの分析をもとに、自社の経営戦略を立てていきます。基本的にはSWOT分析という手法を用いて、機会のあるところに自社の強みのある商品・サービスを展開したり、脅威があり自社の弱みであることからは撤退したりすることを検討します。

外部環境分析の情報源

外部環境分析をする上で、その情報をどこから入手するのか?がネックになりがちです。どこからどうやって情報を得るのかいくつか紹介したいと思います。

相手先の業界情報(トレンド)や関連のある業界や商品の情報

【業界全体の情報】※登録が必要もしくは有料のものもあります。

国立国会図書館オンライン、業種別審査辞典、TDB report、業種別業界情報、全国企業あれこれランキング、日経MJトレンド情報源、テクノロジー・ロードマップ、メガトレンド全産業編、消費トレンド総監2030、未来市場2018-2027、経済レポート情報など

【個別業界の情報】※登録が必要もしくは有料のものもあります。

産業情報ガイド、リサーチナビ統計、レファレンス協同データベース、ディープライブラリー、専門新聞要覧、日本電機工業会HP、新日本スーパーマーケット協会HP、日本冷凍食品協会HPなど

【インターネットや統計情報】※登録が必要もしくは有料のものもあります。

業界動向サーチ、家計調査年報(e-Stat)、Googleトレンド、Yahoo!リアルタイム検索、各省庁の白書など(e-Stat)

私も実際、経営診断で外部環境分析する際には対象企業の業界情報を調べたりするのに活用しています。さすがに毎回全部使ってはいませんが、業種によっていくつかピックアップして調べています。

意外と誰も情報源を公開しないので、初めの頃は情報収集に苦労しました。

ぜひ、ご活用ください!

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