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ウェルビーイング経営とは?メリットや取り組み方などを詳しく解説!

人事・労務

近年、ウェルビーイング(Well-being)経営が世界的に注目を集めています。もしかしたら学校とかでも取り上げられて言葉だけ聞いたことがあるかもしれません。

今回はウェルビーイング経営とは何なのか?取り組むうえでのメリットなどを解説したいと思います。

本記事の内容

  • ウェルビーイング経営とは?
  • なぜウェルビーイング経営が注目されるようになったのか
  • ウェルビーイング経営のメリット
  • ウェルビーイング経営の取り組み方
  • まとめ

ウェルビーイング経営とは?

ウェルビーイング(well-being)とは、心身ともに健康で、かつ社会的にも満たされている状態のことを指す言葉です。つまり、病気などのない身体的な健康だけではなく、心も健康で、かつ幸せな気持ちで満たされている状態が「ウェルビーイング(well-being)」です。

「ウェルビーイング経営」とは、従業員の健康や幸福、満足度を重視する経営手法のことを指します。従業員のウェルビーイングを向上させることが、企業の持続的な成長や生産性の向上、社員のエンゲージメント(仕事への関与度)の強化に寄与すると考えられています。

ウェルビーイング経営は、短期的な利益追求ではなく、長期的な視点での従業員と企業の成長を目指すアプローチです。これにより、持続可能な経営を実現し、全てのステークホルダーに対して価値を提供することが可能となります。


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なぜウェルビーイング経営が注目されるようになったのか

ウェルビーイング経営が注目されるようになった理由は、社会的、経済的、文化的な変化が複合的に影響しているためです。以下に、その主な要因をいくつか挙げます。

1. 労働力の多様化と働き方の変化

  • 多様な価値観の尊重: 現在の労働市場では、世代や文化の多様性が増しており、従業員の価値観やニーズも多様化しています。特に若い世代は、給与だけでなく仕事の意味や働きがい、ライフバランスを重視する傾向があります。
  • リモートワークの普及: 新型コロナウイルスのパンデミックを契機に、リモートワークが急速に普及しました。これにより、従来のオフィス中心の働き方から、柔軟な働き方への移行が進み、従業員のウェルビーイングに対する関心が高まりました。

2. 健康と生産性の関連性の認識

  • 健康管理の重要性: 健康な従業員は病欠が少なく、生産性も高いため、企業にとってもコスト削減と利益向上につながります。研究でも、健康で幸せな従業員が高いパフォーマンスを発揮することが示されています。
  • メンタルヘルスの問題の顕在化: ストレスやメンタルヘルスの問題が従業員のパフォーマンスに与える影響が広く認識されるようになり、これらの課題に対処するための取り組みが求められています。

3. 企業の社会的責任(CSR)と持続可能性

  • CSRの重要性の増加: 企業の社会的責任(CSR)や持続可能な経営が重視される中で、従業員のウェルビーイングも企業の重要な責任の一部と見なされるようになりました。
  • ステークホルダーの期待: 顧客や投資家などのステークホルダーが、企業の社会的責任や倫理的な経営を評価するようになり、ウェルビーイング経営を行う企業が支持される傾向があります。

4. 技術の進化と情報の普及

  • デジタルツールの活用: 健康管理やコミュニケーションをサポートするデジタルツールの進化により、ウェルビーイング施策の実施が容易になりました。これにより、企業は効率的に従業員の健康状態をモニターし、サポートできるようになりました。
  • 情報の普及: 健康やウェルビーイングに関する情報が広く普及し、従業員自身も自己管理の意識が高まっています。これにより、企業に対しても積極的なウェルビーイング施策が求められるようになっています。

5. 法的・規制の変化

  • 労働法規の強化: 一部の国や地域では、労働法規が強化され、企業に対して従業員の健康と安全を確保するための具体的な取り組みが求められるようになっています。

これらの要因が組み合わさり、ウェルビーイング経営が企業にとって重要かつ不可欠な戦略となり、注目されるようになっています。企業が従業員の幸福と健康を重視することで、長期的な競争力を維持し、持続可能な成長を実現することが期待されています。

ウェルビーイング経営のメリット

ウェルビーイング経営は、企業に大きなメリットをもたらします。ウェルビーイング経営のメリットは次の4つです。

・生産性の向上
・社員のエンゲージメント、モチベーションの向上
・離職率低下
・採用力強化

それぞれ詳しく解説します。

ウェルビーイング経営のメリット①生産性の向上

ウェルビーイング経営に取り組むということは、社員が心身ともに健康で満たされている状態を目指すということですから、取り組みがうまくいけば社員にとって「より働きやすい職場」となります。

働きやすい職場であれば、社員のストレスは軽減され、生産性も高まるでしょう。

実際に、ウェルビーイングが高い人は、低い人と比較して、売上は37%、生産性は31%、創造性は300%も高い傾向にあるというデータがあります。

ウェルビーイング経営のメリット②社員のエンゲージメント、モチベーションの向上

ウェルビーイング経営に取り組み、社員が心身ともに健康で満たされている状態で働くことができるようになれば、仕事に対するモチベーションや、エンゲージメントの向上が見込めます。

ウェルビーイング経営のメリット③離職率低下

少子高齢化により労働人口の減少が社会問題となっていますが、そんな中、人材の確保をし続けることは企業にとって重要な経営課題です。

ウェルビーイング経営の推進により、社員にとってより「働きやすい職場」を作ることができれば、離職率の低下にも繋がります。

ウェルビーイング経営のメリット④採用力強化

「働きやすい職場」は求職者にとって魅力的な環境です。自社のブランド価値が向上し、採用力の強化に繋がるでしょう。

また、自社で働く社員の満足度が高ければ、リファラル採用の強化にも繋がります。そうすれば、より低コストで優秀な人材の獲得が可能になります。

ウェルビーイング経営の取り組み方

ウェルビーイング経営は従業員の身体的、精神的、社会的な健康を包括的にサポートするために、多様な施策を導入します。具体的な取り組み内容は以下のようになります。

ウェルビーイング経営の主要な要素

  1. 健康管理プログラムの導入
    • 定期的な健康診断
    • フィットネスプログラムやスポーツイベントの開催
    • メンタルヘルスサポート(カウンセリング、ストレス管理プログラム)
  2. 働き方改革
    • フレックスタイム制度やリモートワークの導入
    • ワークライフバランスの促進
    • 長時間労働の是正
  3. 職場環境の改善
    • 快適で安全な職場環境の提供
    • コミュニケーションの促進
    • 職場の多様性とインクルージョンの推進
  4. キャリア開発と成長機会の提供
    • 継続的な学習とスキルアップの支援
    • 明確なキャリアパスの提供
    • 公正な評価とフィードバックシステムの整備
  5. 組織文化の改革
    • 信頼と尊重に基づく職場文化の構築
    • オープンなコミュニケーションと透明性の確保
    • 従業員の意見を積極的に取り入れる姿勢

参考記事:【働き方改革】働き方を変え、ワークライフバランスを充実させよう!

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ウェルビーイングに影響を与える「PERMA(パーマ)の法則」

「ポジティブ心理学」の創始者であるマーティン・セリグマン氏は、持続的幸福を感じるために必要な5つの要素として「PERMA(パーマ)の法則」を提唱しています。

そして、この「PERMA(パーマ)の法則」が、ウェルビーイングに良い影響をもたらすことを実証しています。

PERMA(パーマ)の法則は次のとおりです。

<持続的幸福を感じるために必要な5つの要素(PERMA(パーマ)の法則)>
① Positive emotion:ポジティブな感情を持っていること
② Engagement:何事に対しても積極的に関わっていること
③ Relationship:他者と肯定的で良質な関係性を築いていること
④ Meaning:人生に意味・意義を見出し、自覚していること
⑤ Accomplishment:達成感を感じていること

PERMA(パーマ)の法則を意識してウェルビーイング経営に取り組むことで、より効果があるでしょう!

まとめ

今回はウェルビーイング経営について解説しました。ウェルビーイング経営は前述の通り、様々なメリットがあります。これからの企業運営では人的資源が最も重要とされています。ウェルビーイング経営を実現して企業で働く従業員が心身ともに健康で、かつ社会的にも満たされている状態になれば、企業の成長にも良い影響を与えることは間違いありません。

自社にとって、事業基盤・環境整備として何が出来るのかを検討して1つでも実現できるようにしましょう!

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