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【経営分析】あなたの会社の強みと弱みは何?内部環境分析の具体的手法

経営改善

事業を経営していく上で、経営者が悩みやすい内容として「売上が伸びない」「人手不足なのに社員が辞めていく」などがあります。「売上を伸ばすために広告宣伝に力を入れたけど効果が出ない」、「社員教育はしっかりやっているのに続かずに辞めていく」といった現象が起きていたら、内部環境分析が不十分である可能性があります。

今回は内部環境分析の必要性と具体的な手法を解説していきます。

本記事の内容

  • 内部環境って何?
  • 内部環境分析の必要性
  • 内部環境の情報収集の具体的な手法
  • まとめ

内部環境って何?

内部環境って何ですか?そもそも内部ってどこのことを言ってるの?内部があるのだから外部もあるの?など聞かれることがあります。

ここでいう内部とは、会社内部のことを指し、コントロール可能な内容になります。そして外部とは社外で起きている景気変動や人口減少など、コントロールが出来ない内容のことを指します。

経営診断で必ずといっていいほど行われるSWOT分析は内部環境である、強み(Strengths)、弱み(Weeknesses)と外部環境である機会(Oppotunities)、脅威(Threats)の頭文字を取ったものであり、SWOT分析を行ったうえで強みを活かした事業展開や弱みを克服し機会を逃さないようにするといった方向性を導き出します。

中国の有名な兵法書である孫子に「彼を知り、己を知れば、百戦危うからず」という言葉があります。実はこの言葉はSWOT分析そのものだと思います。「彼」とは外部環境や同業他社、「己」は自社(内部環境)と考えれば、内部環境と外部環境を知れば、百回戦っても負けないという事になります。

そのため、自社の強みを弱みを内部環境として分析する必要性が分かると思います。

内部環境分析の必要性

もう少し詳しく内部環境分析を行う必要性(メリット)を解説していきたいと思います。

内部環境分析の9つの必要性(メリット)

  • 内部環境分析を行うことで業務上の問題点や課題が明確になる
  • 課題を解決することで業務効率化に繋がる
  • 内部環境が改善されることで人間関係が良好になり、職場環境が改善される
  • 職場環境が改善されることで離職率が下がる
  • 人間関係が良好になることで職場内のコミュニケーションが活性化され、社員のモチベーションが向上する
  • 業務効率化が進むことで生産性が上がり、売上アップに繋がる
  • 経営者以外からの意見を集めることで、意外な強みを発見できる
  • 強みを再認識することで、事業の方向性を決める材料となる
  • 数字では現れない課題、問題点が見つかる

上記の必要性(メリット)をまとめると次のようになります。

①内部環境分析を行うことで業務上の問題点や課題が明確になる。数字では現れない問題点や課題が見つかる。経営者以外からの意見を集めることで、意外な強みを発見できる。

➁発見・明確化された課題を解決することで、職場環境が改善され、コミュニケーションが活性化。社員のモチベーションが向上し、生産性が上がり、売上アップ、離職率低下に繋がる。

③強みを再認識し、事業の方向性が決まる。また、社員のモチベーションが向上し、コミュニケーションが活性化されているため、積極的に意見交換が行われ新商品・サービスが発生することもある。

内部環境の情報収集の具体的な3つの手法

内部環境分析をするには、内部の声を聞くか他の事業者と比較する必要があります。内部情報の収集方法や対象者について解説します。

情報収集の対象者

まずは誰から内部情報を収集するのかということですが、経営者だけでなく管理職、一般従業員も対象となります。公的業務の経営診断では、期間が短いため経営者からのヒアリングしか行いませんが、しっかりと内部環境分析を行うためには経営者以外からも情報を収集する必要があります。

【経営者から見た内部環境】

経営者は自社の事業としての強み・弱みに対しての視点で考えます。会社内部というよりも他の企業と比べて経営者が肌で感じている感覚といったものです。

【管理職から見た内部環境】

管理職は経営目標達成のための問題点やマネジメントの課題に対しての視点で考えます。内容としては部下からの意見や職場環境、上司に対する不満が中心になりやすい。

【一般社員からみた内部環境】

一般社員は目の前の業務に対する問題点や課題の視点で考えます。職場内の人間関係や日常業務に対する不満が中心となる

経営者から一般社員まで満遍なく意見を収集することでリアルな現状を把握することができます。

情報収集の具体的な3つの手法

社内アンケートを実施する

一番簡単で分かりやすい方法が社内アンケートの実施です。アンケートの内容は業務に対する内容や経営方針の浸透度を問う内容など様々ですが、回答しやすいように設問数は5つ程度にすることをおススメします。また、3ヶ月に1度など定期的に行うようにすれば、積極的な意見が出てくるようになります。

【設問の具体例】

  • 会社の経営方針を知っていますか?
  • 会社の良いところ、悪いところは何ですか?
  • なぜこの会社に入社しようと決めたのですか?
  • 今よりもっと会社が良くなるためには、何を改善すればいいと思いますか?

上記はあくまで例なので必要に応じて設問を変える必要があります。新しく事業を始めようと考えているときに内部の意見を聞く手段として使うことも出来ます。他にも人事評価制度を見直したいときに道のような評価をされると納得できるのかを聞くことも出来ます。経営理念や経営方針を定めていない方はこちらを参考にしてください。

注意点としては、①アンケートのため誰が書いたか分からないように配慮する事、②アンケートの内容によっては企業内の秘密情報にあたることも考えられるため、情報漏洩に注意する事の2点があります。

①については名前を書かないからといって部署、年齢、性別を記入させるようなことをしてはいけません。また、アンケートを回収する際も誰でも見られるような箱を設置したり、中間管理職が回収したりすることは注意が必要です。経営者自らが回収するか、信頼できる人に回収してもらうかするべきです。

管理職を参加させた経営者会議を実施する

現在、管理職を参加させた経営者会議を実施していない場合は定期的に開催してみましょう。管理職は経営者と一般社員の間にいるため、どちらの立場の意見も持っています。現場で起きている問題点や課題、課題に対しての解決案など聞いてみましょう。そして、一方的に考えさせるのではなく、一緒に解決する姿勢で課題に向き合いましょう。

社外研修やセミナーに参加させる

積極的に社外研修やセミナーに参加させ、研修報告書内で自社と比べてどうだったか?研修内容をどのように活かしたいか?など書いてもらうことで他の企業事例などと比べて強み・弱みを分析してみましょう。また、研修に参加させることで社員の教育も実施できるため一石二鳥の効果があります。

まとめ

いかがだったでしょうか?内部環境分析は非常に大切な分析です。基本的には「ヒト」に関連している場合が多く、問題点や課題も複雑で扱いにくいものも多く存在します。問題点や課題を抽出することは出来ても解決することは容易ではありません。その場合は商工会・商工会議所などの公的支援機関や外部専門家(社会保険労務士や中小企業診断士など)に相談されることをお勧めします。

管理者である中小企業診断士に相談してみる

難しい課題が多くなる傾向にありますが、その分解決できれば大きなメリットがあることも確かです。

少しでも、企業運営の役に立てたのなら幸いです。

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