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会社員を辞めて、自分で会社を設立しました。
会社には経営理念とか経営ビジョンとか経営方針とか色々聞くけど、違いが分からない。
そもそも経営理念は必要なの?
会社を設立したら一度は経営理念について考えるのではないでしょうか?しかし、経営理念を決めようとしても何にすればいいのか?そもそも経営理念を決める必要性があるのか?などの疑問があると思います。
今回は経営理念の必要性、決め方を有名企業の経営理念の具体例を紹介しながら解説していきたいと思います。
本記事の内容
- 経営理念はなぜ必要なのか?
- 具体例から考える経営理念の決め方
- 経営方針・経営ビジョン・経営戦略・経営計画って何?
- まとめ
経営理念はなぜ必要なのか?
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一般的に経営理念とは「経営者の哲学や信念に基づき、企業の根本となる活動方針を明文化したもの」と言われています。とは言ってもこれだけでは、よく分かりません。有名な企業の経営理念を確認してみましょう。
具体例1:キリン株式会社
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献します。
キリン株式会社の経営理念は「食と健康」で豊かな社会の実現に貢献するといった会社としての目指すべき方向性を示しています。
まずは自社が何をしている会社なのか、何が出来るのかを言葉にしてみましょう。
具体例2:Google.inc
1.ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
2.1つのことをとことん極めてうまくやるのが一番。
3.遅いより速いほうがいい。
4.ウェブ上の民主主義は機能します。
5.情報を探したくなるのはパソコンの前にいるときだけではない。
6.悪事を働かなくてもお金は稼げる。
7.世の中にはまだまだ情報があふれている。
8.情報のニーズはすべての国境を越える。
9.スーツがなくても真剣に仕事はできる。
10.「すばらしい」では足りない。
Google.incは経営理念というよりも、仕事をする上での判断基準のように感じます。このようなパターンもあることも覚えておきましょう。
自社の中で、「これだけは守ってもらいたい」「この気持ちは常に持ってほしい」などがあれば、それは経営理念になります。
具体例3:株式会社NTTドコモ
beyond~想いをつなげ 5Gでより豊かな未来へ~
株式会社NTTドコモの経営理念を見てわかる通り、5Gという最近のフレーズが入っていますよね。経営理念は創業者の想いが言葉になったものが多いですが、この例のように、時代に合わせて変化することもあります。
最初からベストな経営理念を作らなくてもよく、常に時代に合わせて変えていくことも必要です。
経営理念の必要性
3社の有名企業の経営理念を確認しました。なんとなくどういったことが経営理念なのかが分かってきたと思います。
それでは経営理念を掲げる意味・必要性は以下のようになります。
- 社員、顧客、社会全体に対して、会社の信念や行動指針を伝えることができる
- 社員のモチベーションが高まる
- 経営の方向性が定まることで、迷った時のよりどころとなる
経営理念を掲げることで、顧客や社会全体に対して自社が何をしてどのように貢献するのかが明確になります。初めて会った顧客からすると経営理念から会社のイメージが想像できるため、共感してもらうことで上手くいくこともあります。
社員に対しては、会社が目指すべき方向性を示すことで仕事に対するモチベーションが高まります。自分のしている仕事が会社や顧客・社会に貢献できていると感じることで、社員の内発的動機付けとなります。
経営者に対しては、経営理念を振り返ることで創業時の想いや信念を再確認できます。会社が大きくなるにつれて新たな事業を展開していくこともあります。重大な決断をするときに経営理念があると会社が本来進むべき方向性を間違えずに済みます。
このように経営理念を決めておくことで様々なメリットがあります。逆に経営理念を決めるデメリットはありません。
まだ経営理念を決めていないのであれば、決めておきましょう!
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具体例から考える経営理念の決め方
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具体例を参考にどのように経営理念を決めたらいいか考えてみましょう。私が考える経営理念の作成手順は以下の通りです。
- 何をしている会社か、それを通して何が出来るのかを言葉にする
- これだけは常に頭に入れてほしいことを言葉にする
- 社会的な意義とすり合わせる
1.何をしている会社か、それを通して何が出来るのかを言葉にする
経営理念はその会社の事業内容や考え方を示すものです。そのため、まずは自社が何をしている会社なのかを言葉にしましょう。そしてその事業をすることで社会的にどんな影響がもたらされるのか考えてみましょう。
例えば、飲食店業を営んでいる企業であれば、「地元食材を使った料理とサービスで、地域で最も愛される店舗づくりを目指します」などが考えられます。ポイントとしては、経営理念に自社の強みや良いところを入れておくと、より具体的な言葉が生まれてくると思います。
2.これだけは常に頭に入れてほしいことを言葉にする
次に、事業を進めていくうえで、常に意識してほしいことや絶対にしてはいけないことを言葉にしてみましょう。先ほどのグーグルの具体例であったような内容です。
このタイプの言葉がたくさん出てくるのであれば、箇条書きタイプの経営理念が合っていると思います。
無理に文章にすると難しいものでも、箇条書きのように簡潔に想いやルールを掲げることは比較的容易でしょう。
3.社会的な意義とすり合わせる
最後は「社会的な意義とすり合わせる」ですが、この部分が重要なポイントです。いきなり社会的意義といわれても分からないと思います。言い換えると「自社が社会に対して、何を貢献できるか」という事になります。
例えば、「地域の雇用と経済発展に貢献する」「○○市を○○で有名にする」など、まずは地域の問題が解決できそうなことを考え、その要素を取り入れます。
なぜ、社会的な意義を経営理念に盛り込む必要があるかというと、株式会社を始めとする会社は、基本的に営利目的で事業をしています。しかし、営利目的だけで活動していては地域を始めとする社会から疎遠になってしまいます。
事業を経営するだけでも大変とは思いますが、企業として社会に対して貢献したいという意思表示は必要です。その意思表示の手段が経営理念という事になります。
経営方針・経営ビジョン・経営戦略・経営計画って何?
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経営理念に似た言葉に「経営方針」「経営ビジョン」「経営戦略」「経営計画」などがあります。これらの意味と役割の違いを確認しておきましょう。
各用語の関係性は以下のようになります。
経営理念 ⇒ 経営ビジョン ⇒ 経営方針 ⇒ 経営戦略 ⇒ 経営計画
経営理念は「経営者の哲学や信念に基づき、企業の根本となる活動方針を明文化したもの」
経営ビジョンは「経営理念のもと、自社の目指す将来の具体的な姿を定め、社員や顧客、社会に対して表すもの」とされており、経営理念をより具体的に数値などの目に見える形で表したものになります。
経営方針は「企業が事業を展開するために必要な行動や考え方を目標として具体的に示したもの」とされており、ここでいう必要な行動や考え方は経営理念・経営ビジョンに沿ったものになります。
経営戦略は「企業が競争環境の中で自らの経営目的・経営目標を達成するための方針や計画全般」のことをいいます。つまり、経営方針をより具体的な行動や数値で表したものになります。
経営計画は「自社が果たすべき目標やビジョンを明確にし、それを実現するための経営戦略や行動計画を具体的に示したもの」と言われ、経営戦略を各支店や各部署のレベルまで細分化したものになります。
つまり経営計画を策定しようと思えば、経営戦略が、経営戦略を策定しようと思えば、経営方針が必要になってきます。この流れで辿っていくと経営理念にたどり着きます。必ずしも経営理念がないと経営計画が策定できないことはありませんが、計画の一貫性が無くなってしまう可能性があるので、経営理念はあった方がいいですね。
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まとめ
経営理念の必要性、具体例から経営理念の決め方を紹介してきました。
どうしても経営理念が決められない、そもそも自社の強みや目指すべき方向性が明確になっていない、などといった場合には、一度経営診断を受けてみることをおススメします。
中小企業診断士による経営診断は、診断企業を客観的な視点から強み・弱みなどを分析し、進むべき方向性や改善すべき課題を提示します。経営診断を受けることで、自社のことが整理され、見えなかったことが見えてきたりします。経営診断に関する記事はこちらを参考にして下さい。
参考記事にある通り、経営診断は中小企業診断協会やよろず支援拠点などに問い合わせてもらえば、受けることができます。
経営理念を決めて、ブレずにあるべき姿に進んでいきましょう!
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