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【会計業務】税理士に委託?それとも自分でする?判断基準を公開!!

財務・会計

事業を始められた方、もしくはこれから事業を始めようとしている方は「会計業務」を税理士に委託するか、それとも自分でした方がいいのか悩んでいると思います。

今回は、会計業務を税理士に委託するべきか、自分でやるべきかの判断基準を公開するとともに、メリット・デメリットについても解説していきたいと思います。

本記事の内容

  • 会計業務を税理士に委託するメリット・デメリット
  • 会計業務を自分でするメリット・デメリット
  • 私が考える判断基準を公開

会計業務を税理士に委託するメリット・デメリット

まずは、会計業務を税理士に委託するメリット・デメリットを解説してきます。

税理士に会計業務を委託するメリット

主なメリットは以下の5つになります。

  • 会計業務から解放されることで本業に集中できる
  • 決算書・申告書の信用度が増す
  • 節税のアドバイスが受けられる
  • 税務調査の際に立ち会ってもらえる
  • 資金繰りや資金調達のアドバイスを受けられる

メリット①:会計業務から解放されることで本業に集中できる

1つ目のメリットは「本業に集中できるようになる」です。会計業務は会社が行った取引を記録に残す作業です。そのため、どれだけ会計業務を頑張っても収益にはなりません。収益を生み出さない業務は極力少なくし、本業に時間を費やした方が効率的です。

メリット②:決算書・申告書の信用度が増す

2つ目のメリットは「決算書・申告書の信用度が増す」です。会計や税務に詳しくない人が作成した決算書・申告書よりもプロが作成した決算書・申告書の方が信用度があることは分かると思います。

決算書・申告書の信用度が増すことで金融機関からの融資が受けやすくなったり、取引先からの信頼度が上がったりします。

メリット③:節税のアドバイスが受けられる

税理士は税務のプロですので、常に最新の税務に精通しています。スタンダードな節税対策や特例を適用したアドバイスを受けることが出来ます。

税法は毎年のように変わっており、専門家でない人が理解して活用することは容易ではありません。そのようなことに時間を割くよりも売上や業務改善に努めた方が効率的です。

メリット④:税務調査の際に立ち会ってもらえる

事業が大きくなると税務署から税務調査が来ます。税務調査では、取引内容の確認や税法に適合した処理を行っているのかどうかを調査されます。このとき、調査官から質問や問い合わせがあったりしますが、専門的な内容だったりすると言われたままになってしまいます。

税理士に依頼して作成した決算書・申告書であれば、税務調査に立ち会ってもらうことも可能です。立ち会ってもらえれば、分からない専門用語を言われても安心して対処できますね。

メリット⑤:資金繰りや資金調達のアドバイスを受けられる

5つ目のメリットは「資金繰りや資金調達のアドバイスを受けられる」です。税理士は会計や税務だけでなく資金調達や資金繰りも得意としています。借入金の返済や借換えのアドバイスや、資金調達の際には、数値的な根拠に基づいて作成したキャッシュフロー計算書でスムーズになります。

税理士に会計業務を委託するデメリット

主なデメリットは以下の4つです。

  • 料金が掛かる
  • 事業運営に必要な会計知識を得ることが出来ない
  • 税理士によってアドバイスや業務範囲に差がある
  • 業績把握が遅くなる場合がある

デメリット①:料金が掛かる

デメリットの1つ目は「料金が掛かる」です。毎月又は年1回は決算書・申告書の作成に対する報酬を支払う必要があります。料金は事業規模や依頼内容により異なりますが、おおむね月額3万円が目安と言われています。

請求書や領収書を集めて記帳代行をベースに、訪問頻度や帳票提供で追加料金が発生するところもあります。委託する前に料金体系は確認しておく必要があります。

デメリット②:事業運営に必要な会計知識を得ることが出来ない

デメリットの2つ目は「事業運営に必要な会計知識を得ることが出来ない」です。全く会計の知識がないままに事業を運営するのは大変危険です。ただ請求書や領収書を渡して終了!では売上は先月より伸びたのか、無駄な費用が出てないか、など分析も出来ません。

自分で会計業務を行うことで、何が売上になっているのか、何の費用が多く掛かっているのかが分かってきます。最近の会計ソフトでは簿記の知識がなくても入力できるようになっており、初心者でも安心して使える仕様になっています。詳しくはこちらの参考記事をご覧ください。

デメリット③:税理士によってアドバイスや業務範囲に差がある

税理士によってアドバイスの内容や専門範囲に違いがあります。税理士だからといって全ての税法をマスターしているわけではありません。相続税に強い方や酒税に強い方もいらっしゃいます。また、業務範囲も税理士によって違います。給与計算の代行をするところもあれば、補助金申請サポートを行うところもあります。

もし、依頼される場合は、業務範囲と料金は必ず確認したいところです。

デメリット④:業績把握が遅くなる場合がある

請求書や領収書を税理士に渡してから完了するまでの間、自社の業績は分からないことになります。10月からインボイス制度が始まったことで、追加の領収書や取引先の確認作業が増えてきており会計処理が終わるまでの時間が長くなっている傾向にあります。

ひと月分の請求書や領収書を渡す時点ですでに1ヶ月遅れており、そこから記帳代行で10日掛かったとすると、約1ヶ月半後に先月の業績が分かることになります。しかしこの時点から修正しようとしても成果は出にくいです。リアルタイムで自社の業績を把握することで環境変化に敏感になり、先手を取って事業運営をしていくことが可能になります。

会計業務を自分でするメリット・デメリット

会計業務を自分でするメリットは税理士に委託するデメリットを解消する内容になります。デメリットに関しても同様です。

【メリット】

  • 料金が掛からない(削減できる)
  • 事業運営に必要な会計知識を得ることができる
  • リアルタイムに業績が把握できる

【デメリット】

  • 会計業務に掛かる時間が発生し、本業に掛ける時間が減少する
  • 決算書・申告書の信用度が低い
  • 節税のアドバイスが受けられない
  • 税務調査の際に立ち会ってもらえない
  • 資金繰りや資金調達のアドバイスを受けられない

一般的には以上の内容がメリット・デメリットになります。しかし、最近では会計システムが進化してきておりクラウド化が進んでいます。クラウド化に伴い、銀行データ受信やクレジットカード支払データ受信することが可能となり、AIによる自動仕訳によって業務時間が削減されてきています。

また、節税に関しても基本的には利益額を減らす手法を取ることが多いので、リアルタイムで業績を把握していれば、自分でコントロールも可能です。その他にも税金払ってでも資金を貯めていきたい方はデメリットにならないです。

私が考える判断基準を公開

ここまで税理士に委託するメリット・デメリットと自分でするメリット・デメリットを解説してきました。どちらも一長一短であり、判断に迷うところではありますが、私が考える判断基準を公開したいと思います。

まずは小規模な事業者かどうかを判定します。中小企業基本法では商業・サービス業では従業員が5名以下、製造業その他では従業員が20名以下を小規模事業者としています。通常、小規模事業者は取引数少なく、取引内容が複雑でないことが多いため、そのような事業者であれば自分で会計業務を行うことでできそうです。

次に簿記などの会計知識があるかどうかを判定します。ここでは、単純に知識があるかないかだけでなく会計業務を通して知識を得たいかどうかも含まれます。先ほども解説したように、事業を運営していくうえでの最低限の会計知識は必要です。月次試算表や決算書の見方が分からないようであれば、勉強するか、一度自分で会計業務を行ってみることもおススメします。

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結論部分で「申告書の作成を税理士に委託する」がありますが、これは毎月の顧問料は支払わず、自分で会計業務を行い、申告書の作成のみを税理士に委託するという形態です。申告書の作成のみを依頼するため料金も抑えられます。

最後に、上記の判断基準は基本的に法人を想定しています。個人事業主の方は売上規模が5,000万円を超える事業者でない限り、自分で会計業務を行うことをおススメします。個人の場合は利益額で生活していかなければならないため、常に利益額を把握していないと生活していけなくなります。

以上で、今回の記事を終わります。相談や疑問点などございましたら、問合せフォームから送ってください。

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