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該当していたらヤバい!?あなたは大丈夫?赤字企業の5つの特徴!

経営改善

今回は中小企業診断士として何社も経営診断してきた私が経験上、赤字企業の特徴が分かってきたので紹介したいと思います。

私は山口県の中小企業診断協会に所属していますが、診断協会から公的業務として信用保証協会から経営診断を受託することがあります。そのため経営診断する企業は債務超過になっている会社が選ばれます。

信用保証協会としては経営診断を受けてもらい、第三者の視点から企業に現状と課題を認識することで経営改善を促す狙いがあると思われます。

経営診断の内容についてはこちらの記事をご覧ください。

本記事の内容

  • 赤字企業の5つの特徴
  • 赤字企業から抜け出すための方法
  • まとめ

赤字企業の5つの特徴

早速、赤字企業の5つの特徴を紹介します。そして、なぜそれが赤字企業の特徴と言えるのかを解説したいと思います。

【赤字企業の5つの特徴】

  • 自社の業績を把握していない
  • 将来の目指すべき姿が明確でない
  • 事業計画を作っていない、作っているが予実管理していない
  • 顧客やエンドユーザーの分析をしていない
  • 題がわかっていても行動していない、行動出来ていない

赤字企業の特徴①:自社の業績を把握していない

1つ目の自社の業績を把握していない から説明します。

自社の業績はどのように把握していますか?

会計業務を税理士に丸投げしていたりしませんか?

どのタイミングで業績が把握できるようになっていますか?

自社の何の商品・サービスが売れていて、前月と比べてどのように変化しているか、新規顧客がどれくらい増えた、既存顧客からのリピート率はどれくらいなのか、答えられますか?もしくは答えられる情報がすぐに用意できる状態になっていますか?

おそらく、単月の売上金額や利益額ぐらいしか知らない人が多いと思います。私が経営診断した先はたいていこのレベルでした。

今の業績が把握できていない人が業績を良くできると思いますか?出来ないですよね?だから赤字経営から脱却できていないのです。

赤字企業の特徴②:将来の目指すべき姿が明確でない

赤字企業の特徴2つ目は将来の目指すべき姿が明確でない です

将来の目指すべき姿を決めていますか?

3年後このような企業になりたいという具体的な目標はありますか?

目の前の仕事に追われてとりあえず仕事をしているといったことになっていませんか?

将来の目指すべき姿が明確になっていなければ、やらなければならないこと、積み上げていかなければならないことが決まりません。このような状態では売上も頭打ちになってしまいます。当然そうなると黒字化は難しくなります。

赤字企業の特徴③:事業計画を作っていない、作っているが予実管理していない

赤字企業の特徴3つ目は事業計画を作っていない、作っているが予実管理できていない です

これは先ほどの目指すべき姿が明確でないに通じるところがあります。目指すべき姿が明確であれば実現するための計画があるはずです。

計画を作っていない場合もあるため、特徴の1つとして挙げています。

現状の状態から将来の目指すべき姿に向けて実現するために具体的なアクションプランを立て、実行していくことで実現します。

計画を作成していない、もしくは作成したことはあるが予実管理をしていないために作っただけになってしまっていることはありませんか?

当然、計画は実現すれば黒字化に進むはずなので現在赤字であるということは、計画を作成していないか作っただけになってしまっている可能性が高いです。

まれに計画がなくても黒字になることもありますが、たまたま黒字になったのか、それとも狙って黒字化できたのかは当初計画していたものとの比較によって分かるようになります。たまたまであった場合は黒字の状態は長く続きません。これが赤字企業の特徴としている理由です。

赤字企業の特徴④:顧客やエンドユーザーの分析をしていない

赤字企業の特徴4つ目は顧客やエンドユーザーの分析をしていない です

自社の商品・サービスがなぜ購入されているか理解しているでしょうか?

購入されている顧客やその先のエンドユーザーはどのような人たちなのか分かっていますでしょうか?

顧客やエンドユーザーの分析をしていれば、自社の商品・サービスが選ばれている理由が分かるようになります。

分かっていれば顧客ニーズに合った商品・サービスを提供できるため、認知と安心が担保されれば、購入されます。そしてそれを実現できる手段を考えることが出来るはずです。現時点で赤字である場合、顧客やエンドユーザーの分析が不十分であり、適切な手段が取れていないことになります。

赤字企業の特徴➄:課題がわかっていても行動していない、出来ていない

赤字企業の特徴5つ目は課題がわかっていても行動していない、出来ていない です

自社の課題を理解していても行動しなければ何も変わりません。先ほど紹介したように計画を作っても実現するための行動をしなければ成果が出ないことと同じです。

行動はしているが、間違ったことをしてしまい結果として出来ていないといったこともあります。

計画を作ったり、課題がわかっただけで黒字になるのであれば世の中に赤字企業は存在しません。

特に2代目以降の社長は創業当初の「0⇒1」を体験していないため、どのように行動していいのか分からないケースが多いです。 

赤字企業から抜け出すための方法

赤字企業の特徴が分かったところで、これらを解決する方法も紹介していきます。

自社の業績を把握していない場合の解決方法

まず、一つ目の自社の業績を把握していないについての解決方法です。

解決策は自社の業績を把握しましょう!ということになるのですが、具体的には赤字企業の特徴の理由として挙げた通り、自社の何の商品・サービスが売れていて、前月と比べてどのように変化しているか、新規顧客がどれくらい増えた、既存顧客からのリピート率はどれくらいなのかを把握することになります。

会計業務を税理士に業務委託しているのであれば、取引先別の売上高推移や各月の月次試算表を提供してもらいましょう。毎月記帳代行していないのであれば、毎月に変更しましょう。遅くても前月の業績が当月の20日以降には分かるようにしたいところです。

会計ソフトもクラウド型であれば、アクセスできるようにしてもらい、いつでも見られるようにしておきましょう。

業績把握しながら経費の削減をするなら自社で経理することも一つの手です。最近の会計ソフトは自動化が進んでいるので負担は軽くなってきています。あと試算表の見方が分からないのであれば聞きましょう。教えてくれるはずです。教えてもらえないのであれば、私が教えますよ。

将来の目指すべき姿を明確でない場合の解決方法

次は将来の目指すべき姿が明確でない場合の解決方法です。

これも当然目指すべき姿を明確にしましょうという事になるのですが、なかなか決まらないことが多いです。ではどうするのか。答えはシンプルです。

自分がどうなったら幸せなのかを考えてみましょう。

例えば、毎月自由に使えるお金が50万ほしいとか、休みが週に2日はほしいとか、年に一回は家族と長期の旅行に行きたいとか色々あると思います。そこからそれを実現するためにはどうなればいいのかを考えましょう。それが目指すべき姿になります。

当然、従業員がいるのであれば、従業員にとってどのような会社であったら幸せだろうか?ということにもなります。従業員の幸せについては直接聞いてみるのが一番いいですね。従業員も聞いてもらえたら社長の会社を良くしようとする気持ちを感じますので関係性も深まります。

事業計画を作っていない、作っていても予実管理していない場合の解決方法

次は、事業計画を作っていない、作っているが予実管理していないについての解決方法です。

先ほどの目指すべき姿が明確になったら実現するための計画を作成しましょう。

具体的な数値目標などを決めて、実現するためのアクションプランを決めます。

計画を作成したら、実行に移しながら毎月結果を把握しましょう。予定と実績を見ながら修正を加えて運用していきます。

事業計画が作れない、具体的なアクションプランが決まらない、といったことがある場合には、中小企業診断士に相談しましょう。中小企業診断士は事業計画を作成することに関してはプロです。

顧客やエンドユーザーの分析をしていない場合の解決方法

次は顧客やエンドユーザーの分析をしていないについての解決方法です。

顧客やエンドユーザーがなぜ自社の商品・サービスを購入してくれるのかを調査する必要があります。これは直接聞ければ一番いいのですが、エンドユーザーが一般消費者であったりする場合は直接聞くことは難しいです。

そうなると、ある程度統計などの情報に基づいた属性データをもとに仮説を立てて検証していくことになります。

業績把握にも通じますが、売上高の推移や新規顧客が多いのか、リピート率が高いのか、それらはどのような人なのか(会社であれば、事業規模・創業年数・立地・担当者など、一般消費者であれば、年齢、性別、年収、見た目など)が属性データになります。情報収集は大変ですが、得られるものも大きいです。

課題がわかっていても行動していない、出来ていない場合の解決方法

次は課題がわかっていても行動していない、出来ていないについての解決方法です。

解決方法はとにかく行動してみろ!になってしまいますが、闇雲に動いてもダメなので、目的をもって行動しましょう。

そしてその目的のために必要な行動をリストアップしましょう。事業計画を作成しているのであれば、計画に沿った行動をしましょう。

不安に感じるのであれば、事前に準備をしましょう。営業活動するのであれば、何を伝えないといけないのか、何を聞かれるだろうかなどを想定したうえで準備しておくと不安は解消されます。どうにもこうにも悩むのなら相談してください。きっと力になれると思います。

まとめ

今回、赤字企業の特徴!というテーマで記事を書きましたが、これをやりたいなって思ったのは、自分自身の経験からなんですよ。

実例として、3年前に経営診断した会社に連絡してみたんです。そしたら、3年前と何にも変わっていないんです!むしろ悪くなっていました。

電話で社長に「何で診断したときの課題を解決できてないの?」って聞いたら「やらないといけないことは分かっているんだけど、時間がなくて・・・」って言ったんです。

そのとき「どんなにアドバイスや提案しても社長が動いてくれないとダメなんだなぁ」って思いました。自分がもっと社長を動かせるほどの力があれば変わっていたかもしれないとも思いました。

今ならちゃんと社長と一緒に伴走して支援できると思っています。さっきの会社の社長も今現在サポートさせてもらっています。行動できていなかったツケが回ってきて非常に苦しい状況です。

公的機関に相談したら会社を閉じたらどうですか?って言われたそうです。でも、安易に会社を閉じるのも違うと思って支援しています。どうにかこの状況を脱却したいと思って一緒にもがいています。同じような会社はいっぱいあると思っています。まだ諦めていないのであれば、一度相談してください。なにか出来ることがあるかもしれません。

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