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【IT系資格の重要性】ITコーディネーターのメリット・デメリット

資格勉強・経営実務

DXとかデジタル人材ってよく聞くから、IT系の資格を調べてみたんだけど、その中に「ITコーディネーター」という資格がありました。

資格の内容や難易度、メリット・デメリットとか教えてほしい。

今回は多くあるIT系の資格のうち、ITコーディネーターという資格にフォーカスして解説していきたいと思います。私もITコーディネーターのケース研修を受講した経験もありますので、体験談も伝えられたらと思います。

何かIT系の知識や資格を取りたいと思っている方やIT系の資格を勉強しようか悩んでいる方は参考にして下さい。

本記事の内容

  • IT系の資格の重要性
  • ITコーディネーターになるためには?
  • ITコーディネーターを取得するメリット・デメリット
  • ITコーディネーター取得をおススメする方

IT系の資格の重要性

IT系資格を取得する前に、その資格が将来的に価値のあるものかどうかを見極める必要があります。勉強すること自体は無駄になりませんが、せっかく勉強するのであれば、その証明として資格がほしいですよね。また、その資格が今後の仕事や生活に活用できなければ、取った意味がないのも同然です。

そのため、まずはIT業界の市場動向を確認し、その後資格について解説します。

ICT市場規模の動向

ICTとは、「情報通信技術」のことであり、PCだけでなくスマートフォンやスマートスピーカーなど、さまざまな形状のコンピュータを使った情報処理や通信技術の総称をいいます。

ICT市場動向としては、日本国内では2017年が121,530億円、年々増加しており、2023年は138,800億円になると予想されています。また、世界規模でも同様に増加傾向になり、新型コロナウイルス感染症によりテレワーク実施に向けた環境整備や、デジタル化や事業変革の必要性を認識した企業によるICT投資が加速したことが要因とされています(総務省:令和4年版 情報通信白書より)

つまり、今後も情報技術の進展によってデジタル化が進むと市場規模も拡大することになります。この予測からIT系の仕事は多くなるため、IT系資格は今後も価値のあるものだと思います。

ITコーディネーターになるには?

IT系の資格には、実際にシステムを構築する「エンジニア系」の資格と、IT業務の管理や経営戦略を考える「マネジメント系」に分けられます。

ITコーディネーターとは、経済産業省推進資格のうち、ITC協会が認定する公的資格で、「ITと企業経営両方の知識を持ち、経営者の思い描くビジョンを実現する経営戦略策定支援やIT化支援サービスを行う専門家」とされており、資格の分類としては「マネジメント系」になります。

難易度は全然違いますが、IT版中小企業診断士といったところですかね?

ITコーディネーター資格取得の条件

ITコーディネータ資格を取得するには、「ITコーディネータ試験に合格すること」と、「ケース研修を受講すること」の条件を満たし、ITコーディネータ資格の認定を受けることが必要です。

大体の資格は、資格試験に合格すれば、資格取得となりますが、ITコーディネーターはケース研修の受講も必要になります。試験合格とケース研修の受講はどちらが先でも問題はありませんが、個人的にはケース研修を受けた後、受験することをおススメします。

ケース研修では「IT経営推進プロセスガイドライン」というテキストを使いながら、ケース企業の現状や問題点・課題を抽出し、経営戦略とIT戦略を決定し、あるべき姿を実現するためにグループで話し合いながら変革構想書や中期経営計画書などの成果物を作成していきます。

ケース研修を受けることで、インプットからアウトプットまでの流れが擬似体験できるため、受講後に再度テキストを見直す時に理解度が高まると思います。

また、ケース研修の実施機関によっては試験に関する情報やサポートもしていますので、大きなメリットになります。実際に大半の方が、ケース研修受講後に試験を受けられているそうです。

ITコーディネーター試験の難易度

ITコーディネーター協会が公表している近年の合格率は以下の通りです。

年度によって変動はありますが、50%~70%台であることが分かります。見る限りでは合格率は高いように思えますが、受験者自体がIT経験者や関連資格保持者であることが多いため、簡単だと思わない方がいいです。実際私も一度、なめてかかって不合格になった経験があります。

試験期間合格率
第44回試験(令和3年01/20~02/22)65.7%
第43回試験(令和2年09/10~10/12)58.2%
第41回試験(令和2年02/05~03/09)72.6%
第40回試験(令和元年08/01~09/09)55.4%
第39回試験(平成31年02/11~03/14)63.7%
引用元:ITコーディネーター協会

詳しい受験者数などはITコーディネーター協会HPを参考にして下さい。

ITコーディネーター試験の内容と勉強時間

ITコーディネーター試験は年間2回(各期間50日程度)実施しています。直近の試験日程は以下の通りです。

開催年度予約期間実施期間
【第52回】2023年度第2期2024年1月18日(木)~3月7日(木)2024年1月25日(木)~3月11日(月)
【第53回】2024年度第1期2024年7月11日(木)~9月5日(木)2024年7月26日(金)~9月9日(月)

試験方式はCBT方式(コンピュータを使用した受験)ですので、受験者が予め希望する受験日時(実施期間内)と受験会場(約300ヶ所)を予約することができます。期間内では1度しか受験できません。

試験の種類は、「ITコーディネータ試験」と「専門スキル特別認定試験」があり、「ITコーディネータ試験」は誰でも受けることができます。士業の専門家やIT関係の資格保有者は「専門スキル特別認定試験」を選択することができ、受験料が安くなり、試験内容も一部免除されます。対象となる資格はこちらを参照してください。

試験内容は「IT経営推進プロセスガイドライン」の内容から出題されます。中身はIT経営認識領域から始まり、モニタリング&コントロールまでIT経営を実現するための基本原則や業務の流れが書かれています。出題の割合などは公表されていませんが、全体的にまんべんなく出題されるので、ヤマを張るといったことはすることができません。

どんな問題が出題されるのか気になる人はITコーディネーター協会が見本問題を公表しているので参考にしてみてはどうでしょうか?

勉強時間は約50時間と言われています。1日2時間勉強するとしたら、25日掛かることになりますね。まだ今からなら来年の1月の試験には間に合います!興味があれば行動してみましょう!

ITコーディネーターを取得するメリット・デメリット

ITコーディネーターを取得するメリットは以下の通りです。

  • ITを経営に結びつける幅広い知識を取得できる
  • 経営とIT双方の領域に長けた人材になる
  • 他資格との関連性が高い(特にコンサルティング関係)
  • 資格更新のために勉強会などに参加することで人脈が広がる
  • AIに代替されにくい業務であるため、将来性がある

経営戦略から業務改革・IT戦略を考えるので、プレイヤーではなくマネージャーの感覚が得られるのは大きなメリットです。また、他資格との相性もいいので、専門性をアピールすることも出来ます。資格更新のために勉強会などに参加しなければなりませんが、そこで人脈が広がる結果になることもあります。

続いて、デメリットは以下の通りです。

  • ケース研修の受講料が高い(22万円)
  • 更新が必要な資格であるため、時間とコストが掛かる
  • ITコーディネータという資格の認知度が低い

デメリットは、とにかくケース研修の受講料が高いです。研修期間が6日あるので、ある程度高いのは分からなくもないですが、個人的には「高っ!!」って思いました。それでもITに関する資格が欲しかったのでケース研修を受講しましたが・・・。あとはITコーディネーターという資格の認知度が低いことです。しかしDXやデジタル化が進んできていますので、ITコーディネーターの活躍が広がれば認知度も上がると思っています。

ITコーディネーター取得をおススメする人

ITコーディネーターの取得をおススメする人は①関連性のある他の資格を持っている人②SEなどのITに関する知識を持っている人③経営者でITをこれから導入していこうと考えている人です。

ITコーディネーターの関わる領域は、幅広いので取得して損することはないと思います。

ITコーディネーターだけでなく、他の資格でも自分が「有用だな」と思ったのであれば、キャリアアップ・スキルアップのために取得を目指してみてはいかがでしょうか。

中小企業診断士についてはこちらを参考にしてください。

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