最近利益が出なくなってきたなぁ・・・
どこでコストが掛かっているんだろう?
やっぱり物価が上がって原価が高くなっているのが原因なのだろうか・・・
社長!ローカルベンチマークをご存知ですか?
ローカルベンチマークを使うことで自社の業務フローや商流を再確認できます。
再確認してみるとどこが問題になっているか分かってきますよ。
ローカルベンチマークという言葉を知っていますか?よく略して「ロカベン」と呼ばれます。ロカベンは経済産業省が2016年に公開したツールで、会社の状態を「財務」と「非財務」の両面から把握できるものです。
今回はロカベンを作成することで得られるメリットとロカベンの活用方法について解説していきたいと思います。
本記事の内容
- ローカルベンチマークの内容について
- ローカルベンチマーク作成のメリット
- ローカルベンチマークの活用方法
- まとめ
ローカルベンチマークの内容について
ローカルベンチマークのメリットと活用方法を解説する前に、ローカルベンチマークシートの内容と作成の目的を確認しておきましょう。
ローカルベンチマークシート作成の目的は「企業経営の見える化」を行うことで、企業の「稼ぐ力」の源泉がどこにあるかを把握し、企業の現状把握を行うことで経営者に「気づき」を与え、経営の改善を促進することです。
ローカルベンチマークシートの内容①:財務情報に基づく分析
ローカルベンチマークシートには最初に財務情報に基づく分析が記載されます。直近3年間の業績を入力することで分析し、評価してくれます。また、同規模・同業種の会社と比べて自社がどのポジションにあるのかも評価されます。以下の画像は経済産業省のレポートから抜粋しています。
収益性・効率性・安全性を判断する6つの指標で評価しレーダーチャートにすることで視覚的にも分かりやすくなっています。
ローカルベンチマークシートの内容②:非財務情報に基づく分析
ローカルベンチマークシートの内容の2つ目が非財務情報に基づく分析です。非財務情報とは数値化できない自社の情報のことをいいます。具体的にいうと業務フローや商流、内部環境、外部環境に関する内容のことです。財務情報は決算書の数値がわかれば評価できますが、非財務情報については文章で書いて作成するため、難しく感じるかもしれません。以下の画像は先ほど同様に経済産業省のレポートを抜粋しています。
非財務情報は文章で書く必要があるため、経営者だけで作成することは困難です。作成に時間が掛かると途中であきらめてしまったりしまいがちなので、支援機関や専門家にサポートを受けながら作成することをお勧めします。
ローカルベンチマークシール作成のメリット
ローカルベンチマークシートの内容が分かったところで、作成するメリットについて解説していきたいと思います。経済産業省が行った「経営診断ツールの認知・活用状況及び、決済・資金調達の実態に関する調査」(2018年度)では以下のような効果があったとアンケート結果が出ています。
- 自社の経営分析・把握ができるようになる
- 補助金・助成金の申請に活用できる
- 事業計画作成のきっかけになる
- 自社のビジョン構築に役立つ
- 同規模・同業種の会社と比べて自社がどのポジションにいるのか分かる
- 経営課題を見つけることができる
- 金融機関からの資金調達が円滑になる
- 新規事業の開拓や事業構造の見直しにつながる
このようにたくさんのメリットがありますが、メリットだけでなくデメリットもあります。とはいってもデメリットは一つだけです。それは作成するのが面倒で、やりきる前に諦めてしまうことです。特に非財務情報は数字ではなく、文章で書かないといけないため時間が掛かってしまうからなのです。この部分のデメリットは専門家などをうまく活用して作成サポートをしてもらうことで完成させることができます。ぜひ活用してください。
ローカルベンチマークの活用方法
ローカルベンチマークシートの作成には、さまざまなメリットがあることを解説してきましたが、せっかく作成したのだからローカルベンチマークシートを使っていきたいですよね。ここからはローカルベンチマークシートを使ってできることを紹介していきたいと思います。
活用方法①:補助金・助成金の申請に活用する
1つ目の活用方法は補助金の申請に活用することです。自分で事業計画書を作成する場合はローカルベンチマークシートの内容をもとに作成すると書きやすいです。補助金申請のための事業計画策定を外部にサポートしてもらう場合でも、ローカルベンチマークシートを見せることで、理解度が増し、良い事業計画書が出来上がります。
また、厚生労働省「労働移動支援助成金」ではロカベンの総合評価が「B 効率性」以上であることが要件の一つになっています。先に作成してあれば、助成金の申請もスムーズに行えますね。
活用方法②:早期経営改善計画に活用する
早期経営改善計画は収益力などが低下した企業の経営改善を行い、立て直していく事業計画です。
早期経営改善計画を策定する際、事業計画書にビジネスモデルを記載する必要があります。このビジネスモデルの記載をローカルベンチマークの商流の部分に書いたものをそのまま使うことが出来ます。さらにローカルベンチマークに記載した経営課題と将来の目標を実現するためのアクションプランの検討に活用できます。
早期経営改善計画を策定することで経営課題に対する具体的なアクションプランが決まるため、予実管理しながら実行していくことで経営が改善されていきます。
活用方法③:自社の商品・サービスの見直し・開発に活用する
ローカルベンチマークは自社の強みや業務フロー、商流の再確認をします。再確認することで、経営課題が見えて改善に向かうことが出来ます。もちろん経営改善のために活用することも出来ますが、強みを活かした商品・サービスの開発にも活用できます。
まとめ
ローカルベンチマークの大きな特徴は、数値による定量的な評価(財務情報)のみでなく、経営者の意欲や事業環境などの定性的な面(非財務情報)を重視している点にあります。定量的な「財務情報」により企業の過去から現在までの姿を把握し、定性的な「非財務情報」により企業の現在から将来の成長可能性を評価します。
ローカルベンチマーク指標を企業の関係者が参照・共有することによる期待効果は、企業の現状把握と今後の可能性に向けた対話が深まることにあります。特に企業と金融機関の間でのローカルベンチマークの活用は有効です。金融機関は財務数値以外の面での評価ができるため、企業の今後の成長性に目を向けることができます。支援機関にとっても、金融機関を交え同じ視点で対話が可能となるため、非常に有用です。
ローカルベンチマークを作成するメリットは多く、デメリットは作るのが少し面倒なだけです。一度作成すれば、年に一度見直す程度でよくなります。ぜひ、ローカルベンチマークを活用してより良い企業経営をしていきましょう!!
ちなみに現在ローカルベンチマークの作成支援を無償で行っております。お願いしたい方は問い合わせフォームからご連絡ください。よろしくお願いいたします。
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